事務室ブログ#6_毎朝グラウンドを走っているおじさん
関西創価小学校事務室の三津木です。
先日、1年生の担任の先生から「朝の学級の時間に10秒程度顔を出してもらえませんか?」とお願いされました。理由を聞いてみると、どうやら雨上がりのグラウンド整備していた私のことを担任の先生が児童に紹介してくれたそうで、「校内で見かけたらお礼を伝えようね」と話していたものの、「三津木さんがどの人かわからない!」という声が多数上がったため、実際にクラスに来て顔を見せてほしいということでした。
1年生の担任の先生は、児童たちがわからないことを前提にして話を進める必要があるので、本当に大変だなと感じました。
さらに、校内の景観改善のため、各所に設置されたカラーコーンとカラーバーを竹製のバリケードに変更しようと作業していたときのことです。下校時の児童たちから、「めっちゃ優しい」「エコやー!」と称えられた一方で、「コーンも竹にすればいいのに!」というさらなるバージョンアップの提案もありました。
「コーンも竹にかぁ…。なかなか大変だけれど、児童からの要望だからやるしかないか!」と思いながら、試行錯誤を重ねました。事務室内でも知恵を出し合い、最終的にこのような竹製のバリケードを完成させることができました。
ある日、教員の一人が「こんなところに竹製のバリケードができてるね!すごいね!」と言うと、ある児童が「先生!知らないの?これは毎朝グラウンドを走っているおじさんが作ってくれたんだよ」と答えていたそうです。それを教えてもらったときには、もう大爆笑でした。
名前はわからなくても「毎朝走っているおじさん」という認識はある。児童の目に映る映像と知識を結びつける教育はこういった小さな気づきやつながりから始まるのだなと感じました。
このエピソードを通じて、児童たちが目にする映像とその背景にある知識を結びつけることの重要性を再認識しました。児童たちにとって、日常の中で目にする光景はただの風景ではなく、そこにどんな人が関わり、どんな努力がなされているのかを知ることが大切であり、そうすることで、感謝の心や他者への敬意が自然と育まれていくのです。
例えば、雨上がりのグラウンドがきれいに整備されていること一つとっても、その背後には見えない誰かの努力があります。児童たちはその努力を知ることで、自分たちが受け取っている恩恵に気づき、お礼を言うという感謝の行動に結びつくのです。
また、竹製のバリケードを見て「エコやー!」と感じるだけでなく、どこからその竹を調達し、それがどのように作られたのかを知ることで、環境保護についての理解も深まります。「コーンも竹にすればいいのに!」という発想は、まさに児童が新たな視点や知識を得た証と言えます。
教育は、単なる知識の伝達だけでなく、日常の中で見聞きする事柄を通じて、思いやりや感謝の心を育むことも大切だと感じました。これからも、児童たちが学校生活の中で多くのことを見て学び、その経験を通じて成長していけるような環境を提供していきたいと思います。