教育コラム#5_「桜梅桃李」咲くのはどの順番?
こんにちは。
関西創価小学校 参事の三島千晃です。
関西創価小学校の桜が開花しました。
関西創価小学校には、80本を超える桜と「平和竹林」と命名された竹林があります。「桜と竹の学校」と謳われる本校の桜や竹林の景観は見事で、地域の名所の一つになっています。
今年も元気な新入生が桜のトンネルをくぐって通学し、たけのこ掘りを体験する予定です。
◆「桜・梅・桃・李」は、どの順番に開花する?
42年前の開校当時、まだ小さな桜の苗木の前で、先輩教員が「桜梅桃李(おうばいとうり)という言葉は、自分らしく輝く大切さを説いているんだよ。子どもたち一人一人の可能性を開花させるのが創価教育だよ」と語ってくださいました。
そして、「桜梅桃李の『桜・梅・桃・李』は、どの順番に開花するか知っている⁉️」と問われました。私は突然の質問に答えに窮してしまいました。
皆さんは、わかりますか?
「全部バラ科の樹木だけど、咲くのは、『梅→桃・李→桜』の順だよ」と、その先輩は、教えてくれました。
“桜梅桃李”ならぬ、“梅桃李桜”です。
※咲く順番は、地域や品種で違いが出る場合があります。
一人一人が、自分らしく輝く素晴らしい「個性」をもっているということ、そして、その力を本領発揮する「時期」も異なるということです。
子どもが持つ可能性を最後まで信じ抜くことが「創価教育」であり、信じること、信じて関わること、それが「育む力」に通じていきます。
◆「寒さ」を「開花の力」に変える
本校にあるたくさんの桜の中でも、一段と大きく、見事な花を咲かせる木があります。それは開校時に植樹された桜で、根元には、「第1回入学記念植樹 創立者」のプレートが付けられています。
もちろん春の桜も好きですが、寒風に吹かれる桜の裸木を眺めるのも一味違った趣があります。
冬の桜の木は、裸木で、一見、春をただ待っているだけのように見えますが、そうではありません。桜の花芽は冬の寒さにさらされることで、眠っている状態から目覚めるといいます。それを「休眠打破」と言います。
桜は、敢えて寒さを受け入れて「開花の力」へと変えているのです。
経験上、うまくいかないことや、想定外の出来事が次々と起こるのが教育や子育てです。そうしたときに、“あのゴツゴツした樹皮の桜の木からも、いつか必ず美しい花が咲く”と信じて前に進むこと、そう思えば、寒風に吹かれる桜の裸木も、愛おしく思えてきます。
「寒さに震えた者ほど、太陽の暖かさを知る」とのホイットマンの言葉が心に染みます。
◆桜の花びらに包まれた校章
中央にペン、その左右に鳳雛の羽を象った創価学園の校章。
関西創価小学校の校章は、それを桜の花びらが包んでいます。それは、いつも子どもたちの無限の可能性を信じ、励ましのエールを送り続けてくださった創立者の真心を表しているように感じます。
春を告げた梅の花から春の主役のバトンを受け取った桜。その桜も新緑の木々へバトンを渡します。関西創価小学校の豊かな自然は、私たちに多くのことを教えてくれています。