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事務室ブログ#14_ゴミも見方を変えれば宝物

事務室の三津木です。
現代社会では、毎日大量のゴミが生み出されています。私たちは日々、不要になったものを簡単に捨ててしまいますが、その中には、視点を変えれば価値を見出せるものも少なくありません。

本校の総合棟にあるプールは地下にあり、グラウンド側にはドライエリア(からぼり)が設けられています。これは、地下室に自然の光や風を取り入れ、快適に過ごせるようにするためのもので、衛生上の観点から建築基準法で定められた必要なスペースです。しかし、この場所は児童がグラウンドで遊んでいる際に、ボールが頻繁に落ちてしまう問題を抱えていました。

総合棟が新築されてから約11年、ボールの落下防止策としてネットの設置が何度も議論されました。しかし、そのたびに「景観が損なわれるのではないか」「設置費用がかかる」といった理由で見送られてきました。ところが今年、校内点検の際に、教職員のボール回収の負担軽減や、児童が「先生、またボールが落ちてしまいました!」と報告しなければならないストレスを考慮し、費用をかけずに解決する方法を模索することになりました。

そんなとき、高校野球部に使い古された防球ネットがあることが判明しました。このネットは、もともと高校の野球グラウンドでファウルボールが場外へ出ないよう設置されていたもので、とても大きく頑丈なものでした。広げてみると、硬式ボールの飛び越えを防ぐための設計がされており、上下にはワイヤーが通り、吊り上げ用の大きなシャックルが取り付けられていました。そのため、鉄部の重量だけでも相当なものでした。このネットを中高の管理課職員とともに運び出す際も、大男二人がかりでようやく車に乗せ込み、真冬にもかかわらず、汗でびっしょりになるほどの重労働でした。

高校野球部グラウンドにあった防球ネット


小学校へ搬入後は、授業の妨げにならないよう総合棟側に寄せて保管し、授業の合間を見てワイヤーを切断し、適切なサイズにカットして設置しました。また、いつでも取り外しができるよう、地上から2階バルコニーへ吊り上げる際に使用したロープはそのまま残しました。実際に設置してみると、心配していた景観は損なうことなく、むしろ「このまま固定してしまっても問題ないのではないか」という意見が複数の教員から寄せられました。結果として、長年の課題を費用ゼロで解決することができたのです。

ネットを適切なサイズにカットする
総合棟ドライエリアに防球ネットの設置が完了

このように、一見自分では不要に思っているものも、別な人の視点で見ると、新たな価値を見出し、活用できることがあります。私個人も、数年前に転居をした際、部屋数が減ったことによるエアコンや、子供が出て行ったことなどで使わなくなったキャンピング道具など、不要な物を、地元の掲示板「ジモティ」で出品したところ、ほとんどの物は喜ばれて引き取られていきました。

家庭で出るゴミの中にも、リサイクルや創意工夫によって再利用できるものが数多くあります。例えば、空き瓶や空き缶はきれいに洗えば花瓶や小物入れとして使えますし、古い衣類は布としてカットすれば掃除用の布巾にもなります。ちょっとした工夫を取り入れることで、ゴミの排出量を減らし、環境負荷の軽減につなげることができるのです。

私たち一人ひとりが「ゴミ=不要なもの」と決めつけず、新たな価値を見出す視点を持つことで、持続可能な社会の実現に貢献できるのではないでしょうか。

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